うなぎが食べたい!もうすぐ土用の丑の日ですね! ~万葉集とうなぎ~
今年(令和元年)の土用の丑の日は、7月27日土曜日!
土用の丑の日って?
土用の丑の日にはうなぎ!夏バテにはうなぎ!と言われていて、土用の丑の日が近くなると、スーパーなどにも多くのうなぎが並べられますよね。
食べる前にちょっと毎年毎年、疑問に思っていましたが、「土用の丑の日」ってどういう意味なんでしょう?
そもそも「土用」って何?
「土用」とは季節の変わり目のこと
「土用」とは季節の変わり目のことで、立春、立夏、立秋、立冬の前の18~19日の期間を指し、次の季節に向かう準備期間として位置づけられ、年に4回あります。
季節の変わり目では、全ての「気」が乱れると考えられていて、特に注意をして過ごしましょうという時期になるそうです。
土用の考えでは、全ての物は「木・火・土・金・水」(もっかどごんすい)という5つから成り立つ「陰陽五行説」に基づきます。
季節には春夏秋冬がありますが、古代中国の自然哲学「陰陽五行説」では、春=木、夏=火、秋=金、冬=水と考えられていて、『土』だけが余ります。
そこで、暦の上で各季節の始まる前の18~19日間を次の季節への準備期間として、「土用」を設けたのです。
ですので、土用というのは夏の事だけではなく、各季節の変わり目全てを指します。
では、「丑の日」って何?
「丑の日」とは十二支の丑のこと
丑の日の「丑」は、十二支(じゅうにし)の中にある丑のことです。
現代では、今年の干支ぐらいでしか使われていませんが、古くは時間ごと、日ごとにも使われていました。
丑三つ時(うしみつどき)などは、知っているという人も多いのではないでしょうか。
ですので、「土用の丑の日」というのは、各季節の始まる前(立春、立夏、立秋、立冬)の前の18~19日間の中の丑という日の事です。
そして、土用が18~19日間であるのに対して、十二支は12個です。そのため、土用の期間に「丑の日」が2回ある場合もあります。
うなぎが夏バテにいいと言われるようになったのはいつから?
~万葉集とうなぎ~
およそ1200年前の「万葉集」の中では、編者である大伴家持が吉田連老(むらじおゆ)、字名を石麻呂(いしまろ)という友人にうなぎを勧める歌が読まれました。
右、吉田連老(むらじおゆ)といふ人あり。(あざな)をば石麻呂(いしまろ)といへり。いはゆる仁教の子なり。その老、形いたく痩せたり。多く飲み食らへども、形、飢饉のごとし。これに因りて、大伴宿禰家持、いささかこの歌をよみて、あざけりぬ。
この友人は、身体がひどく痩せていて、いくら食べても飲んでも飢えた人の様に少しも肥えなかったそうです。そこで家持がからかい半分に、この歌を読みました。
石麻呂(いわまろ)に 吾物申す 夏痩(なつやせ)によしと云ふものそ 鰻(むなぎ)とり食(め)せ
「石麻呂くん、夏痩せにはうなぎがいいらしいから、獲って食べなよ」
「むなぎ」というのは、「胸黄」のことで、天然うなぎのことになるそうですので、川で獲るしかないですよね。
また、
痩す痩すも 生けらばあらむ はたやはた 鰻(むなぎ)を取ると 川に流るな
「痩せてても、生きていればそれでいいじゃん。もしもうなぎを獲りに行って、万が一川に流されたら、元も子もないからね」
という忠告の歌も詠んでいます。
これらの歌から、うなぎを食べると、夏痩せ防止や元気になるという考え方が当時からあったようですね。
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣になったのはいつから?
Wikipediaによれば、土用の丑の日に食べる習慣となったのは、文政5年(1822年~1823年)当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)によれば、安永・天明の頃(1772年~1788年)だそうですが、ブームとなった有名な説があります。
「丑の日」になったきっかけ
現在のように丑の日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代の蘭学者である平賀源内が、知り合いのうなぎ屋に夏場にさっぱりうなぎが売れないと相談され、「本日、土用の丑の日」と書いた紙を貼ったところ、大繁盛したという説が有名ですね。
「丑の日(うのひ)」の「う」と「うなぎ」の「う」の語呂が良かったということですね!
それにしても、平賀源内という人は、現在でいうコピーライター?みたいな人ですかね⁇
うなぎ以外にも、「丑の日」に食べられているものがある❓
土用の丑の日には、うなぎ以外にも、「土用しじみ」、「土用卵」、「土用餅」もあるそうです。
ほかにも、瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようですが、あまり馴染みではないですよね?
土用の丑の日は暦では、「気」が乱れる期間で、体調を崩しやすいことから、体力を付けて乗り切ろうと、滋養強壮が強いうなぎを食べる意味合いもあるのでしょうね。
うなぎは本当に夏バテに効果があるの?
日本における疲労研究の第一人者である大阪市立大学大学院特任教授の梶本修身氏によると、栄養価の高いものを食することが当たり前になった現代においては、エネルギーやビタミン等の栄養不足が原因で夏バテになることは考えにくく、夏バテ防止のためにうなぎを食べるという行為は医学的根拠に乏しいと発表しています。
参照:Wikipedia
確かに、栄養価の高い食べ物がたくさんある現代では、夏バテ防止に効果抜群とは言えないと思いますが、「土用の丑の日」にうなぎを食べる、スーパーに並ぶ、こういう習慣は、お祭りみたいなもので、日本の伝統行事みたいになっていますよね!
うなぎ、今年も食べたいと思います😆